
雪が降ると「面倒だ」と思う。
靴が濡れる、交通機関は乱れる、歩きづらい、寒い。おまけにここ長野では「雪かき」という肉体労働までしなければならない。なんて面倒なのだろう。
靴が濡れる、交通機関は乱れる、歩きづらい、寒い。おまけにここ長野では「雪かき」という肉体労働までしなければならない。なんて面倒なのだろう。
でも時々思い出す、雪が降るたびに嬉しかったあの頃のこと。
カーテンを開けると、真っ白な世界が広がっている。
急いで支度をして、誰も踏み入れたことのないフカフカの雪を探し、そこに足を踏み入れる。初めての背徳感。
冷蔵庫からこっそりシロップを持ち出して、雪にかけて食べてみる。かき氷が食べ放題だと調子にのってたくさん食べた。
急いで支度をして、誰も踏み入れたことのないフカフカの雪を探し、そこに足を踏み入れる。初めての背徳感。
冷蔵庫からこっそりシロップを持ち出して、雪にかけて食べてみる。かき氷が食べ放題だと調子にのってたくさん食べた。
社会人になり、写真を撮りだしてからもまだ雪は楽しかった。雪が降った朝、仕事をサボって写真を撮りに行ったこともあった。仕事をサボって撮影だなんて今考えるといいことではないが、フカフカの雪に足を踏み入れることと同じくらいの背徳感があり、妙に心地が良かった。
そんなことを思い出したところで、今の私はやっぱり「面倒だ」と思う。
だけれどひとつだけ、長野は雪が綺麗だ。雪が降った街の景色は美しい。屋根が三角だからか、特に白馬のあたりは不思議と北欧っぽいなと思う光景がたくさんある。北欧なんて、行ったことはないのだが。
ただ、結局写真は撮っていない。長野に住んでから2年が経つが、一度もまともに撮影していない。
あんなに綺麗なのに、そして写真を撮ることはこんなにも好きなのに。
なぜだろう。やっぱり、面倒だからだろうか。
雪は面白かっただろうか。
それとも、やっぱり面倒なのだろうか。
この日、私はそれを確かめたくなったのかもしれない。
Model : mimirin
Location:Iiyama city , Nagano.
Date : 2024.02















Photo by KURASON